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韓国の戸籍制度

🔳 戸籍法の廃止・家族関係の登録

韓国の戸籍は「家」(戸籍法上の家族制度の基本単位)の下で、本籍、戸主、前戸主の氏名及び戸主との関係、戸籍の編製、戸籍の変動事由の内容及び年月日、家族の氏名、本貫、性別、出生年月日、住民登録番号、戸主及び家族となった原因とその年月日、戸主及び家族の実両親・養両親の氏名、戸主と家族との関係など、国民の身分関係を明確にするため、すべての必要事項を記載した公的帳簿です。

韓国人は長い間、このような家父長制の家族制度に慣れてきており、戸主は、大家族に対する統率力が強力でありました。しかし、今日の政治的・経済的・社会的条件の変遷に伴い、これらの家父長的家族制度の持続化が難しく、戸主の地位も徐々に弱くなり、2007年12月31日をもって民法上の戸主制度は廃止されました。それに従い、戸籍法(1960.1.1、法律第535号)上の戸籍は、新設の家族関係の登録等に関する法律(2008.1.1、法律第8435号)によって家族関係登録簿に置き換えられることとなりました。

また、強制分家制度及び法定分家制度の採用により、戸主の支配下に入る家族の数も減らす方向に進んでいたところ、戸主を基準とした「家」単位で国民の家族関係を編制する戸籍制度は、個人の尊厳と男女平等の憲法理念に反するとの批判が発生、これをきっかけに戸籍簿に代わって国民の個別登録基準地による家族関係登録簿編製が施行され、各種の家族関係の取得・発生及び変動事項の入力、処理・管理は電算情報処理組織により管理されています。

🔳 家族関係の登録に関する法律について

家族関係の登録等に関する法律は、国民の利便性を図るために制定(2007.5.17、法律第8435号)されており、2008年1月1日から、廃止された戸主制に代替して、国民の出生、婚姻、死亡などの家族関係の発生及び変動事項の登録やその証明に関する事項を規定しています。この法律に基づいて、従来、地方自治体が赤字にもかかわらず担当してきた家族関係登録事務を国の事務(最高裁管轄)に切り替え、かかる費用も国が負担し、戸主基準の編制が国民個人別登録基準地を基にする家族関係登録簿の編制に代わりました。

民法改正による親養子制度及び子供の姓・本貫の変更等に関する具体的な規定も設けられ、親養子縁組をしようとする人は、親養子入養裁判の確定日から1カ月以内に裁判の謄本及び確定証明書を添付して申告しなければなりません。また、婚姻中に生まれた子供が母親の姓・本貫を取る場合は、婚姻届にその内容を記載した後、父母の協議書を添付しなければならず、子供の姓・本貫を変更する場合は、裁判確定日から1カ月以内に裁判書の謄本及び確定証明書を添付して申告しなければなりません。

従来の戸籍法では、家庭裁判所で協議離婚の意思を確認した後にも、離婚届に証人2人が連署すべきでしたが、この法律に基づき家庭裁判所の離婚意思確認書の謄本を添付する場合には、証人2人が連署したものとみなされ、離婚の届出が可能となります。また、死亡届出人を親族及び同居人に限定することにより、独居老人などの死亡届に漏れが生じてしまう戸籍法上の問題点を改善して、死亡場所の自治体の長も死亡届を提出できるように緩和されました。

国籍の変動は、国民申告制から管轄機関の通報制に変更され、従来の国籍取得や喪失、離脱した人の申告がない限り戸籍簿には変更事項が記載されず新しい戸籍を編制し難かったが、この法律の施行によって、法務部長官が国籍変動者の登録基準地の長に変更事項を直接通知するように変わり、通報を受けた自治体の長は、韓国国民と判定された人が登録されていない場合は、家族関係登録簿を作成するようなりました。

このほか、家族関係登録簿に登録された個人情報を濫用・悪用する者に対する処罰も強化され、登録事務を処理する者が法律で定めていない理由で登録情報を利用又は他人に提供した場合には、3年以下の懲役または1000万ウォン以下の罰金に処し、登録情報を虚偽に申告した人は、1年以下の懲役又は300万ウォン以下の罰金に処せられます。  

※ NAVER知識百科から一部引用

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