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ビザ(在留資格)

ビザ(査証)は、ある国を訪問しようとする外国人に対して入国を許可する証明書です。通常の場合、在外大使館や領事館が申請書類等を確認し、「入国に問題ない」という判断が下りたらパスポートにビザ(シール貼付)が発行され、その後入国空港や港などで審査官の確認を経て入国許可を受けます。日本の場合は、出入国管理及び難民認定法(「入管法」)において、外国人が領海内に入ってくることを「入国」、領土に入ってくることを「上陸」と区分しています。入国許可の時点でのビザは必須要件であり、入国と同時にそのビザに記載された「在留資格」をもって外国人の日本在留が可能になります。

出入国管理及び難民認定法(入管法)に基づく在留資格の種類

● 入管法別表第一の一、一の二(就労関係在留資格)

● 入管法別表第一の三~第一の五(留学等非就労関係在留資格)

● 入管法別表第二(身分関係在留資格)

​◦教授

​◦芸術

​◦宗教

​◦報道

​◦医療

​◦研究

​◦教育

​◦介護

​◦興行

​◦技能

​◦経営・管理

​◦法律・会計業務

​◦技術・人文知識・国際業務

​◦企業内転勤

​◦特定技能

​◦技能実習

​◦高度専門職

​◦留学

​◦文化活動

​◦短期滞在

​◦研修

​◦家族滞在

​◦特定活動

​◦永住者

​◦日本人の配偶者等

​◦永住者の配偶者等

​◦定住者

🔳 外国人の日本上陸要件(入管法第7条)

① 有効な旅券及び有効な査証を所持していること

② 申請に係る活動(日本で行おうとする活動)が虚偽でないこと

③ 日本で行おうとする活動が,入管法に定める在留資格のいずれかに該当すること

④ 上陸許可基準のある在留資格については,その基準に適合していること

⑤ 滞在予定期間が,在留期間を定めた施行規則の規定に適合していること

⑥ 入管法第5条に定める上陸拒否事由に該当しないこと

🔳 日本上陸拒否事由(入管法第5条)

① 保健・衛生上の観点から上陸を認めることが好ましくない者

② 反社会性が強いと認められることにより上陸を認めることが好ましくない者

③ 日本国から退去強制を受けたこと等により上陸を認めることが好ましくない者

④ 日本国の利益又は公安を害するおそれがあるため上陸を認めることが好ましくない者

⑤ 相互主義に基づき上陸を認めない者

​※具体例:

​過去に退去強制されたことがある、出国命令を受けたことがある、懲役・禁錮1年以上の有罪判決を受けたことがある、覚せい剤取締法違反等の薬物事犯について有罪判決を受けたことがある、売春業務に従事したことがある、貧困者、放浪者等で生活上国又は地方公共団体の負担となるあそれがあるなど

🔳 在留資格認定証明書について

日本の入管法は、外国人が「短期滞在」以外の在留資格で日本国に上陸しようとする場合には、申請に基づき法務大臣があらかじめ在留資格に関する上陸条件の適合性を審査し、その結果、当該条件に適合する場合にその旨の証明書を交付できると定めています。この交付される文書を在留資格認定証明書といいます。在留資格認定証明書は、日本国に上陸しようとする外国人が、日本において行おうとする活動が上陸のための条件(在留資格該当性・上陸基準適合性の要件)に適合しているかどうかについて法務大臣が事前に審査を行い、この条件に適合すると認められる場合に交付されます。なお、その外国人が日本国で行おうとする活動に在留資格該当性・上陸基準適合性が認められる場合でも、その外国人が上陸拒否事由に該当するなど他の上陸条件に適合しないことが判明したときは、在留資格認定証明書は交付されません。外国人が、在留資格認定証明書を日本国領事館等に提示して査証の申請をした場合には、在留資格に係る上陸のための条件についての法務大臣の事前審査を終えているものとして扱われるため、査証の発給に係る審査は迅速に行われます。また、出入国港において同証明書を提示する外国人は、入国審査官から在留資格に関する上陸条件に適合する者として取り扱われますので、上陸審査も簡易で迅速に行われます。

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➡ 在留資格認定証明書交付申請ができる人(申請人)

① 日本への入国を希望する外国人本人(※日本に在留してる外国人に限る)

② 当該外国人を受け入れようとする機関の職員その他の法務省令で定める代理人(※日本に在留している人に限る)

③ 申請取次者(※外国にいる外国人が直接委任することはできないので注意してください)

外国人の円滑な受入れを図ることを目的とする公益法人の職員で地方出入国在留管理局長が適当と認める者

地方出入国在留管理局長に届け出た弁護士又は行政書士

申請人本人の法定代理人

※在留資格認定証明書交付申請は、原則本人が地方出入国在留管理局窓口で行わなければならないですが(出頭義務) 、入管法で認められた代理人若しくは申請取次者が申請する場合は、本人の出頭義務は免除されます。

🔳 新しい在留資格に変更、在留期間を更新

在留資格を有する外国人が在留目的を変更して別の在留資格に該当する活動を行おうとする場合や現に有している在留資格の下では行うことができない他の在留資格に属する活動を行おうとする場合には、法務大臣に対して在留資格の変更許可申請をしなければなりません。また、付与された在留期間の更新を受けようとする場合も法務省令で定める手続により、法務大臣に対し在留期間の更新許可申請をしなくてはなりません。在留資格の変更及び在留期間の更新は、出入国管理及び難民認定法(入管法)により、法務大臣が適当と認めるに足りる相当の理由があるときに限り許可することとされています。ここでいう相当の理由については、申請者の行おうとする活動、在留の状況、在留の必要性等を勘案して、次の事項も考慮した上で総合的に判断されます。

1. 行おうとする活動が、入管法別表に掲げる在留資格に該当すること(許可時の必要要件)

2. 法務省令で定める上陸許可基準等に適合していること

原則、上陸許可基準に適合していて、次の上陸許可の必要要件が求められています。

① 有効な旅券及び有効な査証を所持していること

② 申請に係る活動(日本で行おうとする活動)が虚偽でないこと

③ 日本で行おうとする活動が,入管法に定める在留資格のいずれかに該当すること

④ 上陸許可基準のある在留資格については,その基準に適合していること

⑤ 滞在予定期間が,在留期間を定めた施行規則の規定に適合していること

⑥ 入管法第5条に定める上陸拒否事由(上記具体例参照)に該当しないこと

3. 現に有する在留資格に応じた活動を行っていたこと

もし、現に有する在留資格に応じた活動を行わないで在留している場合(例:失踪した技能実習生、除籍・退学後も在留を継続していた留学生等)は、その正当な理由が必要です。但し、それは、適当と認める相当の理由があるか否かの判断における考慮要素の一つであるため、すべての事情を総合的に考慮した結果、変更又は更新を許可しないこともあります。

4. 素行が不良でないこと(善良であることが前提)

5. 独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること

刑事処分(退去強制事由に準ずる行為)、不法就労をあっせんする等の行為は、素行が不良であると判断されます。

日常の生活状況が、公共の負担となっておらず、かつ、その有する資産又は技能等から見て将来安定した生活が見込まれること(世帯単位)が必要です。但し、在留を認めるべき人道上の理由が認められる場合には、その理由を十分勘案して判断されます。

6. 雇用・労働条件が適正であること

就労(アルバイトを含む)に係る場合には、その雇用・労働条件が労働関係法規に適合していることが必要です。(労働条件や労働環境については労働者ではなく会社側が考えるべきものであることを考慮して検討)

7. 納税義務を履行していること

納税義務の不履行により刑を受けている場合や高額の未納・長期間の未納などが判明した場合は、納税義務を履行していないと判断されます。なお、平成22(2010)年4月1日からは、社会保険への加入の促進を図るため、在留資格の変更又は在留期間の更新申請時に窓口において保険証の提示を求めていることをご参考ください。

8. 入管法に定める届出等の義務を履行していること

入管法上の在留資格をもって中長期間在留する場合は、在留カードの記載事項に係る届出(例:新規上陸後の住居地届出、在留資格変更等に伴う住居地届出、住居地の変更届出など)、在留カードの有効期間更新申請、紛失等による在留カードの再交付申請、在留カードの返納、所属機関等に関する届出などの義務を履行しなければなりません。

在留資格変更又は更新を適当と認めるに足る相当の理由につき法務大臣の総合的な判断の結果、不許可となった事例

在留資格「経営・管理」の上陸許可を受けて入国し、以後4回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ、入管法違反(不法就労助長罪)により罰金30万円に処せられた

引き続き、飲食店を経営するとして在留期間更新許可申請がなされたところ、在留状況に問題があるとして、更新不許可

在留資格「留学(1年3月)」の上陸許可を受けて入国し、その後、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への変更許可を受け、以後3回在留期間更新許可を受けて在留していたところ、児童売春、児童ポルノに係る行為等の規制および処罰並びに児童の保護等に関する法律違反により罰金50万円に処せられた

引き続き、プログラム作成業務に従事するとして在留期間更新許可申請がなされたが、在留状況に問題があるとして、更新不許可

日本語教教育機関に入学するとして、在留資格「留学(1年3月)」の上陸許可を受けて入国し、その後、専門学校に進学するとして在留期間更新許可を受け、同校を卒業後、同校の同一の課程で再度勉強したいとして在留期間更新許可申請があったもの

同人の在学状況及び在留状況に特段問題は認められなかったが、同一校の同一課程で再度教育を受ける活動を行うことに合理的理由は認められず、更新不許可

日系3世として、在留資格「定住者(2年)」の上陸許可を受けて入国し、以後1回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ、詐欺及び窃盗の罪により、懲役2年執行猶予4年の刑が確定したもの

上記執行猶予期間中に、引き続き日系3世として在留したいとして、在留期間更新許可申請がなされたところ、在留状況に問題があるとして、更新不許可

日系3世の配偶者として、在留資格「定住者(1年)」の上陸許可を受けて日系3世である夫とともに入国し、以後2回の更新許可を受けて在留していたところ、引き続き日系3世の配偶者として在留したいとして在留期間更新許可申請がなされた

上記更新申請の際に提出された源泉徴収票上の住所地が入管法に基づき届け出られた住居地と相違していたことから、調査した結果、同人は、入国以来、源泉徴収票上の住所地に居住していたにもかかわらず、在留期間更新許可申請の際には、日系3世である夫の住居地を住居地として、虚偽申請をしていたことが判明したことから、更新不許可

在留資格「日本人の配偶者等(1年)」の上陸許可を受けて入国し、以後2回の在留期間更新許可を受けて在留していたところ、大麻取締法違反、関税法違反により懲役10月執行猶予3年の刑に処せられたもの

その後、日本人配偶者と離婚したが、引き続き本邦に在留し通訳、翻訳業務に従事することを希望して、在留資格「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可申請がなされたところ、在留状況に問題があるとして、変更不許可

大学に入学するとして、在留資格「留学(1年)」の上陸許可を受けて入国し、その後、在留資格「家族滞在(2年)」への在留資格変更許可を受けて在留していたところ、同在留資格での在留中に、資格外活動許可を受けることなく風俗営業店にて長期間稼動を行っていたもの

同人からは、再度大学へ入学したとして(入国時の大学とは別の大学)、在留資格「留学」への在留資格変更許可申請がなされていたところ、在留状況に問題があるとして、変更不許可

在留資格「短期滞在(90日)」の上陸許可を受けて入国し、その後、日本人女性と婚姻したことにより、在留資格「日本人の配偶者等(1年)」の在留資格変更許可を受けて在留していたところ、日本人女性と協議離婚が成立したものである

同人からは、協議離婚後、引き続き本邦に在留したいとして、在留資格「定住者」への在留資格変更許可申請がなされたところ、本邦在留歴は約1年3ヶ月であり、離婚に至る事情及び日本社会への定着性等の事情から、在留を認めるべき事情がないものとして、変更不許可

寄港地上陸許可を受けて上陸後、許可期限を超えて本邦に残留し、在留特別許可により「留学」の在留資格を決定された後、「技術・人文知識・国際業務」への在留資格変更許可を受け、同在留資格により在留していたところ、稼働先を退職したものである

同人から、在留資格の該当性に限らず、より広範で安定した活動を行いたいとして、在留資格「定住者」への在留資格変更許可申請がなされたところ、変更を認めるべき事情がないものとして、変更不許可

なお、現に在留カードを所持している人が、在留資格変更許可申請又は在留期間更新許可申請を行った場合において、当該申請に係る処分が在留期間の満了の日までになされないときは、当該処分がされる時又は在留期間の満了の日から2月が経過する日が終了する時のいずれか早い時まで、引き続き従前の在留資格をもって日本に在留することができます。この期間を、特例期間と言い、在留カード裏面の「在留期間更新等許可申請欄」に「申請中」であることの記載、若しくは「在留カード等番号失効情報照会」を利用してその在留期間の適正性(在留カードの有効性)が確認できます。

【参考】

● 中長期在留者の範囲:①~⑤のいずれにも該当しない人

① 3か月以下の在留期間が決定された人

② 「短期滞在」の在留資格が決定された人

③ 「外交」又は「公用」の在留資格が決定された人

④ 上記①~③の外国人に準じるものとして法務省令で定める人

⑤ 特別永住者

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